キミの愛情120%



「当日どうしよっかー? やっぱりイルミネーション見たいよね? その前にどっかでご飯食べるとして、少し早く集合して映画見るのもアリだね。あ、ちなみに里菜ちゃんち門限ある?」


先輩はポテトをつまみながら、スマホ片手に矢継ぎ早に質問してくる。

「門限はない……ですけど」

「けど?」

「なんか……楽しそう? ですね。先輩」


聞くと、先輩は一瞬我に返った顔で見つめ返してきた。

やがて何かを誤魔化すみたいにアハハと笑って「そうかなー?」と言う。


「だって里菜ちゃんとこうやって出かけるの初めてでしょ。初デートはワクワクドキドキするもんじゃん?」

「あー、なるほど」


どんな女の子相手でも初デートは楽しみってわけか。というかこの人はきっとこれが通常運転なんだろう。

さすがは女タラシだ。こんな風に何気なく女の子を期待させてしまうんだから。