「……ど、どぉしたんですか?」
「昨日、マルちゃんたちと無事に話できたかなーって」
「あ……はい! おかげ様でちゃんと話せました! 大丈夫です」
「そかそか。よかった~」
ホッとした顔に、不覚にも胸がきゅんとしてしまう。
心配してくれてたのか……。一言報告だけでもしとくべきだったな。昨日は授業サボってまで一緒にいてくれたんだもんね。
「昨日は、その……色々、ありがとうございました」
「いえいえ~、俺も土曜日付き合ってもらったし、お互い様だから気にしないで。それはそうと、里菜ちゃん今日の放課後ヒマ?」
「え?」
「俺とハンバーガー食べながら、クリスマスの話しようよ」
*
放課後、日本一有名なファストフードチェーン店に先輩と二人で入った。
当然、店内には同じ高校の生徒もたくさんいて、「あれ松原先輩じゃない?」とか「諒の隣にいる女、誰?」とか声が聞こえてきてそわそわした。
でも先輩は周りの声なんてBGMの一部みたいに全く気にしてない様子で、「里菜ちゃん、何頼む?」とどこかわくわくした顔をしてリナだけを見ていた。



