「……隠してごめん。リナもね。こんなはずじゃなかったんだけど」


ぽつぽつと、ここ最近のことをかいつまんで2人に話した。

長谷部くんとデートしたこと、でもうまくいかなかったこと、その後に松原先輩と会ったこと、先輩と話して長谷部くんと別れる決意をしたこと。

そして、先輩がクリスマスに誘ってくれたこと。


二人は黙って聞いてくれた。話し終えた後、チョコちゃんがリナをまっすぐに見つめて言った。


「里菜。あたしたちがアンタに聞きたいのは1つだけよ。先輩とのクリスマス、里菜は心から楽しめるの?」

「…………」

リナ、は……。

少しだけ考えて、だけど出てきた言葉は迷いなく1つだった。


「楽しめる、と思う。そりゃ、思わないことがないわけではないけど」


リナはあの男が嫌いだ。でも、あの男とのクリスマスは、不思議と悪いものになるとは思えなかった。


「けっこうね。今、楽しみにしてるの」


気恥ずかしくて目を逸らしながら言うと、2人は安心したようにふっと笑った。


「ならよし」

「松原先輩だもんね。私は信頼しかないよー」

よかったよかったと納得顔の二人に、逆にリナの方が不安になった。