「えっ!? ま、松原先輩と!?」
「……急ですね」
いぶかしげなチョコちゃんの声に冷や汗がにじむ。
普段リナは先輩のことを散々「嫌い」と言っているから、そりゃ『なんで?』だよね。
「まあ、詳しくはあとで本人から聞いて」
「……わかりました」
それきり、マルとチョコちゃんの声は聞こえなくなった。
ドッドッドッと、焦ったり緊張したりで激しく脈打つ心臓がうるさい。
「もういいよー。里菜ちゃん」
腕が緩まるのと同時に、ぷはっと顔をあげた。
すると、先輩の顔がキスできそうなくらい近くにあって、慌ててのけ反った。うわー!!
「すみませっ……じゃなくて、さっきのはなんなんですか!? 勝手に……!」
「え? ダメだった?」
「ダメに決まってるでしょ!」
「なんで?」
「な、んで……って」
そんなの決まってる。



