「里菜ちゃんは、ホントあの二人のことが好きだよね」

「……今更なんですか。友だち相手に、重たい女だと思いますか」

「ううん。……うらやましいよ」

「え?」

ぼそっとつぶやかれた言葉は、小さくてはっきり聞き取れなかった。

先輩は「んーん」と誤魔化すみたいにニコッと笑って、リナの方を見た。


「それで、これからどーすんの?ハセベくんとは別れるの?」

「そうしたほうが、いいとは思うんですけど……。クリスマスまでもう時間ないし、どうにかして仲直りして、クリスマスまでは一緒に過ごしてもらえないかなって……」

「えー。それ、楽しいの?」

「……楽しくは、ないかもですけど」

「……里菜ちゃんの思う“素敵な女の子”って、そうやって行き当たりばったりに物事決めちゃう子なの?」


うっ。先輩のくせに、リナがもやもやしている部分を的確に指摘してくるな!