『……なるほどね。リナちゃんにとって、あの二人は特別なんだ』



先輩がまぶしそうに目を細め、リナを見つめる。



『……はい。リナのいちばんは、マルとチョコちゃんです。秘密ですけどね』



こんなこと誰にも話したことがなかったけど、あんまり先輩が優しい瞳で聞いてくれるから嬉しくなった。


『でもたぶん、こんなに二人のことが好きで、憧れてるのはリナだけだと思います。二人はこういう女子同士の面倒くさい繋がりとか好きじゃないから……』

『そうなの? 仮に二人がそうだとして、リナちゃんのことはそう思わないと思うけど』

『リナが嫌なんです。リナのせいで二人が自由じゃなくなるのが許せないんです。だから、今日のことはマルには言わないでくださいね。絶対』

『……ん。りょーかい』


そのあとも、マルとチョコちゃんとの思い出話をして帰った。先輩は最後まで楽しそうに、本当に楽しそうに話を聞いてくれた。