キミの愛情120%



「でもどうしよう。このままじゃクリスマスが……。せっかく彼氏のいるクリスマスにできると思ったのに……」


うつむくリナを、綺麗な顔した先輩が不思議そうな顔をしてのぞきこんでくる。


「そもそもさ、なんで里菜ちゃんはそんなに彼氏が欲しいの? マルちゃんとチョコちゃんに彼氏ができたから?」

「……そおです。馬鹿みたいって思うでしょ。でもリナには大事なことなんです」

「馬鹿みたいなんて思わないよ」


顔をあげて先輩を見ると、ニコッと人懐こい笑顔で「あのときの、衝撃すぎて忘れらんないし」と言う。


「……できれば忘れてほしいんですけどぉ」

「忘れませーん。だからさ、里菜ちゃんがあのふたりのこと、どれだけ好きかは知ってるつもりだよ」


……長谷部くんは先輩のこと『人の心がない』なんて言ってたけど、そんなことない。

だって、あのとき……先輩は、リナの話をちゃんと聞いてくれたから。