キミの愛情120%



「そういう日は、俺じゃなくて本命と過ごしてほしいんだよね」


……え。

予想してなかった答えで、思わずあっけにとられた。

だから、先輩はわざわざクリスマスを一人で過ごすの?

それってなんか……なんか……。


「せ、先輩が本命の子は?」

「そういう子は特に期待するでしょ、クリスマス一緒に過ごしたら。言ったじゃん、俺は彼女作らない主義だって。期待させても悲しい思いさせるだけだから」

「……じゃあ、さっきの人も?」

「うん。断ったけど諦められないみたいだったから、『本気になっちゃったんならもう会わないよ』って言ったら」


ローズティーぶっかけられた、と言って先輩はケラケラ笑う。いや笑い事じゃねーよ。


「……じゃあ、先輩は誰からの誘いも断って一人で過ごすんですか?」

「うん、そー。クリスマスだけはね。去年もそうだった」

「……だったら、この前リナに『一緒に過ごす?』って言ってくれたのも、冗談だったってことですか? 断りましたけど、ひどすぎません?」


マルとチョコちゃんにフラれて落ち込んでいたリナに、そんな冗談はつらすぎる。