「……なんであんな風になっちゃったのか、聞いてもいいですか?」
「いーよ。里菜ちゃんは誰かに言いふらすような子じゃないしね」
なにそれ。
リナのこと、知ったような口きかないでよ。
そんな風に言っていいのは世界でふたりだけ、マルとチョコちゃんだけなんだから。
「クリスマス。一緒に過ごしてほしいって言われて断った」
「……え? なんで?」
「クリスマスは一人で過ごす主義だから」
出た。ナゾ主義。
こればかりは意味が分からなくて、眉をひそめた。
「なんですか? その主義」
「クリスマスってさあ、なんか他の行事にくらべて特別な感じするじゃん。ザ・恋人たちの行事っていうか」
「……まあ、確かに?」
恋人同士以外なら、家族で過ごすか、友だちと過ごすか……。
いずれにしろ、大切なひとと過ごす日だ。



