キミの愛情120%



「じゃあ、ちょっと付き合ってよ。哀れな俺に免じてさ」


いつもならきっと断っただろうに、そのときは断る気にならなかった。

こんな状態の知り合いを放っておけなかったからなのか、ひとりぼっちがさびしかったからなのか、その両方か。

理由は、はっきり考えたくなかった。






「今更ですけど、さっきの人、追いかけなくてよかったんですか?」


先輩とカフェを出て、近くの通りを歩き始める。

寒いからと、先輩が途中のコンビニでカフェラテを買ってくれた。


「うん。追いかけても、俺が言えること無いしね」


同じようにコンビニで買ったコーヒーを飲みながら、先輩が隣を歩く。


……ああ。今、この人と私服で一緒に歩いてるのか。


なんだか信じられなくて、ひそかにドキドキしてしまうのが腹立たしくて、先輩の方を見ないように歩いた。