『好きなの? ハセベくんのこと』 なんでそんなこと聞いてくるの。 なんであんな、リナの心の奥を覗くみたいにじっと見つめてくるの。 絶対深い意味なんかない。あいつはああやって女の子を惑わせるのが趣味なだけだ、どうせ。だから気にするだけ無駄なのに。 リナを見つめる笑顔が脳裏に焼きついて、教室に入るまでずっと離れなくて、振り払うようにぶんぶん首を横に振った。 ……ようやくリナにも春がきたんだ。 あんなやつのことなんか忘れて、今度こそ素敵な恋愛するんだから。