「あたしたちらしく生きてれば、里菜はずっとあたしたちと友だちなんでしょう。なら頑張るとかそんな話じゃないわ。“当然そうなる”、でしょ?」



決まってる、と言い切るふたりは、リナが大好きなふたりそのもので、きらきら輝いていた。

じわじわ瞳に涙が溜まっていく。にじむ視界の中で、マルが「どうした~」と笑っていた。


「……っ、うう。リナ、マルとチョコちゃんが世界一好き。中学のときからずっと、ふたりだけ好き」

「あはは、そうだったの? 世界一だってチョコちゃん。嬉しいね~」

「彼氏にすら言われたことないけど。すごいわね」

「でもね、もうひとり世界一好きなひとができたの。リナ、そのひとに幸せになってほしいの。幸せなまま、リナを隣に置いてほしいの」

「…………」


マルとチョコちゃんが顔を見合わせる。

ふたりは嬉しそうに「そっかあ」と笑った。マルがリナの手をとって、ぎゅっと、勇気づけるみたいに握り締める。



「じゃあ、そのひとにそれを伝えてあげたらいいんじゃない? たぶん、そのひとの幸せには里菜が必要だから。私とチョコちゃんにも必要なように、ね」



こくん、とうなずく。

ああ、これがリナの好きなひと。


リナが信じた、世界一好きなひと。