「え……。いや、岸本さんと付き合ってたこと自体、初耳だけど。いつから?」
「昨日~。初恋実った俺を祝ってよ、ヒサ」
「……えっと、おめでとう。岸本さん」
「ねえ、俺は?」
マルが興奮した様子で目を輝かせ、チョコちゃんが珍しくビックリした顔でリナを見て、周りの女子と男子が青ざめた顔でリナと先輩を交互に見てくる。
わ、わざとだ絶対……。こんな大勢の前で、あんな大声で言うなんて。
「里菜! ほんとに? ほんとに松原先輩と付き合ってんの?」
「……うん」
「えーなんで言ってくんないのー!?」
「里菜にしては隠すの上手かったわね」
「い、いいから……もう教室行こうよ。早くこの場から離れたい。てかアイツから離れたい」
周囲の視線が痛い。それ以上に、先輩を見るたびにバクバク動く心臓が痛い。
うう。まだリナ自身、実感がわいてなかったし、心の整理がついてからマルとチョコちゃんに話そうと思ってたのに……。
「せっかく付き合って初日なのに」
と、完全に面白がっている先輩を無言で睨んでから、マルとチョコちゃんを引っ張って教室へ逃げた。



