「自分でもこの感情が何なのかわからないまま君を怒らせて、振り回して、最低だってわかってたけど……嫌われてもいいから、あのふたり以外誰のことも映さないその目に、俺を映してほしかった」
世界一好きなひとになれないなら、世界一嫌いな男になろう。
『好き』だと言わせず、宙ぶらりんになったかわいそうな恋心も消させずに。
「そしたら昨日、言ってくれた。俺のことが好きで、好きで、大嫌いだって目で」
――『先輩、リナのこと好きになったらいいのに』
気づけば唇が重なっていた。
蜂蜜のように甘く、どろどろに溶かしたチョコレートみたいな瞳に、焦げ付いてすっかり苦くなった恋心が絡めとられる。
死ぬほどムカついた。
リナがこの数か月悩みに悩んで、泣いて、怒って、だけどそれが――こんなにこの男を喜ばせていたなんて。



