「ちょっと、せんぱ……」

「俺がほしかったもの、やっとわかった」


……え?


ぎゅっと身体を抱きしめて、悪魔が耳元で嬉しそうにささやいた。

ずっとリナの恋心を否定してきたその口で、言ったのだ。



「俺は、ずっと君の特別になりたかった」




気づけばリナは、先輩を殴っていた。