「うん。依存まではしてくれないけどね。受け入れて、大事にしてくれる。僕のせいで不安定になることもあるけど、それでも彼女自身の足で立ち続けてくれる。僕や岸本さんが依存したところで、百合も、たぶん寺橋さんもそんなに変わらないんじゃないかな」
「そう、ですかね……」
「むしろちょっと変わるくらい、いいんじゃない。人間だから変化するのは自然で、人間だから根っこは変わらない。最近は、その小さな変化が楽しいよ」
……ああ、この人も変わったんだな。
晴れやかに笑う汐見先輩を見て、そう思った。
たまに廊下で見かける、マルに出会う前の汐見先輩を思い出す。
冷めた目をして周囲を見ていた。みんなどうでもよくて、信じられなくて。
あれは、マルとチョコちゃんに出会うまでのリナだ。
だけど先輩は、変わった。確かに根っこの部分で先輩とリナは似ているのかもしれないけど、決定的に何かが違う気がする。
先輩がこんな風に笑えるのは、マルが先輩を受け入れたから?



