キミの愛情120%



汐見先輩と適当な空き教室に入って、なんとなく一つ席を空けて隣の席に座った。先輩はそれには特に何も言わず、お弁当箱を広げて普通にお昼ご飯を食べ始めた。

さすがはマル以外どうでもいいと豪語する男だ。こっちがどれだけ緊張していようがお構いなしの態度に、一人だけ動揺しているのがアホらしくなってきた。


まあいいや、とりあえずご飯食べよう……。


諦めて同じようにお弁当を広げて食べ始めると、汐見先輩がふいに「あのさ」と言った。


「僕、百合のことが好きなんだけど」

「え? はい……知ってますけど」


なんだ突然。そんなこともう全校生徒が知ってるよ。


汐見先輩は相変わらず何を考えているのかわからない無表情で、淡々と話し始めた。


「百合ってさ、芯が通ってて理性的で、すごく強い子だよね」

「そうですね……?」

「でもたまに、危なっかしいところがある。心に脆い部分があって、そこを突かれると途端に弱くなる」

「…………」


マルの弱点。

彼女には、持ち前の正義感と行動力が理由で、片思いの相手に『恋愛対象として見れない』と言われた過去がある。

それがトラウマになって恋愛に尻込みしていたマルを見事に救い上げて、恋する女の子に変えたのがこの汐見先輩だ。