キミの愛情120%


「……んもーっ!」



思わず地団駄を踏んで憤慨したのち、ハア、とため息をついて教室を出た。


こうなったら、花壇ピカピカにしてやる……。

怒りの方向を花壇にぶつける平和主義の天使リナは、重い足取りで裏庭へ向かった。





意気込んで掃除を始めて、30分。



「………さっっむい……」



軍手をした手を擦り合わせ、体操着姿で震えていた。


夏に咲いていた向日葵が枯れてから誰も手入れしていないのか、花壇はそこそこ荒れていた。

周囲の落ち葉を集めて、雑草を引っこ抜いている間に30分が経過した。未だに雑草は鬱陶しいほど生えている。

なんでリナがこんな目に……。


「一年生に押し付けるなんてしんじらんない……死ぬほど寒いし……リナ寒いの嫌いだし……」


雑草を引っこ抜きながらぶちぶち文句を垂れていると、



「……あれ?岸本さん?」



知らない男子の声がした。

振り返ると、ゴミ箱を抱えた体操着姿の男子が心配そうにこっちを見ていた。