立ち上がって黙々と歩道橋の周りを歩き続けていると、後ろから「里菜ちゃん」と声をかけられた。
振り返ると、先輩がまっすぐ、リナだけを見ていた。
「……里菜ちゃんの『特別』になれたら、皆そのエネルギーを使ってもらえるの?」
「え? ……まあ、そうですね。今のところ、マルとチョコちゃんしかいないですけど」
「……そっか」
先輩が柔らかく微笑む。その瞳はこっちがびっくりするくらい甘くて、絡みつくみたいにどろどろしていて、思わず身体がざわっと震えた。
え……なに?
「……先輩?」
「ん? ……なんでもないよ。ほら、さがそ」
「…………」
なんなんだよ……。
よくわからないけどちょっと怖くて、考えるのをやめた。クズの考えていることなんか、リナにはわからんのだ。
それから探し始めて30分が経ったとき、歩道橋の近くの喫茶店の植え込みの上に、ふわふわした黄色いものを見つけた。



