「……そーだねえ。マルちゃんは、他人にどんなに『良い』って言われても、自分が納得しないと『良い』と思えないタイプだよね」
ここ半年でマルの人となりに少しでも触れてきた先輩が、困った顔をして微笑む。
「そうなんです。それがマルのいいところでもあるんですけどね」
「……だから里菜ちゃんは、ここまでするの?」
先輩がリナの隣にしゃがみこんで、白い息を吐きながらこちらを見つめた。
「重いですか?」
「……いや」
先輩が目線を下げて言いよどむ。
わかるよ。普通の友達なら、ここまでしないのかもね。リナは友達少ないけど、そのくらいはわかる。
でも、
「リナにとっては、普通の友達じゃないから」
世界一、大事な人だから。
「リナのエネルギーは、マルとチョコちゃんのために使うって決めてるんです。それって、こういうときでしょ」
「……………」
隣が無言になった。
引いたのか、リナのクソ重語りに飽きたのかわからないけど、まあいいや。



