「親御さんは心配してない? 大丈夫?」
「……それは大丈夫です。リナの家、片親だし。お母さんは夜の仕事してるので」
リナのママは今、絶賛お仕事中だ。
美人で華やかで、リナの料理をいつもおいしいと言って食べてくれるママ。放任主義で、子供は勝手に育つと思ってる少し頼りないママ。
「……そう。でも、だからって女の子が一人で夜に出歩くのは良くないからね。補導されたら困るでしょ」
「わかってますよ……。でもこの辺は補導少ないから大丈夫だもん」
「……なんでそんなの知ってんの」
「ひみつでーす」
別に大した理由はないけど。
ただ中学の頃、ちょっと不安定だったときがあって。夜、よく電車に乗ってこのあたりをあてもなく歩いていた。
たまに大学生くらいの男の人に声をかけられて、一瞬だけ付き合ったりもしたけど、まあ、黒歴史だ。わざわざ話すことでもない。



