「そこからいつ落としたんだろう……。あー、なんで気づかなかったのかなー。私の馬鹿」


マルが珍しく今にも泣きだしそうな顔でうなっている。

そりゃショックだよね。汐見先輩と付き合って初めて一緒に買ったものだもんね……。


「すぐ気づかなくてもしょうがないよ、マル。つけ始めてからもう一ヶ月以上経つでしょ?」

「うう……。でも~……」

「とりあえず探しましょ。この3日間のどこかで落としたのは確実なんだし、まだ見つかる可能性はあるわよ」

「そーだよ。じゃあ今日は帰り道をくまなく探そ? 三人で探せば見つかるかもよ!」

「うん……ありがとう」


落ち込んでへにょへにょのマルを立たせて、3人で教室を出る。

登下校でいつも通る廊下を見回しながら歩いて、ついでに職員室に寄って落とし物が届いてないかを確認したけどなかった。


昇降口を出てから校門までの間も、3人で手分けして探し回ったけど見つからない。



「何してんのー?」

「ヒエッ」


知った声が聞こえてマルの肩が跳ねる。

おそるおそる振り返ると、リナの後ろに茶髪頭が不思議そうな顔をして立っていた。