「里菜ちゃんは『普段の行いの結果』って言ってくれたけどさ。俺は特別好きって気持ちがわからないから、代わりにみんな好きなふりして、愛想と優しさ振りまいて。そうやって誰かを愛してるつもりになってるのかもね」
「…………」
「中学の時、付き合ってた女の子にそんな感じのこと言われてさ。それ以来誰とも付き合ってないけど……。その通りかも」
……愛してる、つもり。
本当にそうなのかな。
そう思いながら、この人はこれからも誰かに優しくして生きていくのかな。
考えたら、それだけで胸がきゅっとつまってたまらなくなった。
「……リナ、思うんですけどぉ!」
「え?」
一歩踏み出して、先輩の方へ近づいていく。
驚く彼の目の前に立って、その顔を見上げた。
「先輩は、みんなに100%の愛情を注いでるだけだと思うんです!」
綺麗なアーモンド形の茶色い瞳が、朝日を反射してきらめく。
リナはもう知ってる。
この優しい瞳が、ゆるぎない意志を持っていつも他人を見つめていること。



