「……なんでそう言い切れるの」
「先輩は、自分と一緒にいてくれる人みんなに幸せな気持ちになってほしいって言ってました。だから……たとえ彼女じゃなくても、一人ひとりの好きなものを知って、喜んでもらえることをいつも探してるんです」
あの人はきっと、『ただの都合のいい遊び相手』なんて誰に対しても思っていない。
どうでもいい人たちのために、あんなにお店の写真を撮ったりしない。
丁寧に相槌を打って話を聞いたり、好きな香りを覚えたり、自分の前から消えていく人の後姿を、あんなに寂しそうな目で見送ったりしない。
「松原先輩がそういう人だって、皆さんがいちばんよくわかってるんじゃないですか」
女の子たちは顔を見合わせて、そしてぽつり、ぽつりとつぶやきはじめた。
「諒は私の元気がないとき、いつも気づいて声かけてくれる」
「あたしが好きなバンドの新曲が出たら、絶対先にチェックして話してくれるんだよね」
「彼氏と別れたとき、2時間も一緒にいてひたすら愚痴聞いてくれた……」
彼女たちの口から紡がれる、優しいエピソード。先輩が相手に寄り添い続けてきた証拠たち。
……先輩。あなたの愛は、ちゃんと伝わってるよ。



