つないでいる手から先輩の体温を感じて、たまに先輩が確かめるみたいに手をぎゅっと握ってきて、そのたびに心臓がぎゅうぎゅう痛くなった。
先輩はリナの視線にようやく気づくと、当たり前みたいに優しい目をしてリナの顔を覗き込んでくる。
「……どーしたの。さっきからしゃべんないね?」
なんでこの人のこと、好きになっちゃいけないんだろう。
なんでリナは、好きって言っちゃいけないんだろう。
働かない頭で考えてみたけど、ちゃんとした理由が思いつかなかった。
……あれ? もしかして、言ってもいいのかな。
「先輩」
「ん?」
「……リナ、先輩のこと……」
口が勝手に動いて、喉から言葉がこぼれる。
先輩の目が見開かれた、その瞬間。
「――諒?」
近くで女性の声が聞こえた。
ハッとして横を見ると、女性二人が驚いた目でこちらを見ていた。信じられない、という顔で。



