「寒いね。俺、カイロ持ってるよ」
「……ありがとうございます」
さすが冬もモテる男は違う。カイロを二つ用意してきた彼は、1つをリナに渡して、もう1つを自分のコートのポケットに入れると、そのまま片手を差し出してきた。
「カイロ持ってないほうの手、ちょうだい」
言われて、差し出す手が震えたのは、寒さのせいなのか、なんなのか。
素直に手を重ねたリナに、先輩は意外そうな顔をしたあと、にっこりと笑って優しく握りしめた。
つないだ方の手を先輩のコートのポケットに突っ込まれる。カイロが暖かい。イケメンのコートのポケットはこのためについているのか。勉強になった。
並木道を色鮮やかな光が彩る。
広場の中央にはひと際大きなクリスマスツリーが立っていて、辺りを煌々と染めていた。
「キレイだね」
立ち止まってツリーを眺める。
隣を見ると、先輩もツリーを見上げていた。切れ長の瞳にゴールドの光が映ってキラキラしている。周囲にはたくさんの人がいたけど、リナの視界には先輩しかいなかった。
夢みたい。
これ、なんてドラマのワンシーン?
目に映るもの全部がきらきらしてる。



