高校1年の12月のはじめ、いつもの昼休み。


友達のマルとチョコちゃんと机をくっつけてお弁当を食べていたら、事件は起きた。


「.....えっ?」


呆然として、箸から卵焼きがぽろっと落ちる。


「じゃあクリスマスは、ふたりともデートなの.....?」


目の前には、申し訳なさそうに縮こまるマルと、気まずそうに目をそらすチョコちゃんがいる。

発端は、他ならぬリナ自身。「もうすぐクリスマスだねぇ」なんて言っちゃったから。


マルはまるで今だ!と言わんばかりの勢いで「そそそれなんだけどさぁ!」と下手くそに切り出してきて。


チョコちゃんも今だ!と言わんばかりに「実はあたしも」とか便乗してきて。


「ご、ごめんね里菜。汐見先輩があんまり頑張って誘ってくれたから……あの……すげーかわいくて……」

「こ、こいつ、弁解しながらノロケやがった……!」

「ごめん。あいつが久しぶりにこっち来るっていうからさ……」

「そ、そりゃー行くしかないよチョコちゃん……!遠距離だもんねー!」


マルには付き合いたてのイケメン彼氏がいるし、チョコちゃんにも遠距離恋愛中の幼なじみがいる。


……うん。仕方ない、よね!!