モモも本来なら高岡の答えを聞きたいところだったが、それを知ってしまうと高岡との父娘(おやこ)ごっこに集中出来ない感じがした。

 が、ここに留まりたい本当の理由を言えない今、そちらに関しても上手く納得させられない気がして、とにかく(うつむ)き言葉を濁してしまった。

「そうか……いや、ありがとう、明日葉。では折を見て話すことにしよう。この三日間に行きたい所ややりたいことがあったら教えておくれ」

 それでも高岡はそこに重きを置かず、モモの希望を快諾してくれた。

「そうですね……あ、その前に、あたしのジャージを返していただけないでしょうか?」

 ──あれがないと、鉄棒が上手く使えない。

「ああ……花純くん、さすがに洗濯は終わっているかい?」

「はい、ご主人様」

「では明日葉の部屋に戻しておいておくれ。それと……あ、あのエアガンもね」

「えっ!?」

 ──エアガンって、ま、さか……?

「意外な趣味だと思ったがね、明日はあれで遊ぶために森にでも行った方がいいのかな?」

 ──それってサバイバルゲームってことでしょうか……?

 モモは既に遠い昔となっていたあのストーカー事件を思い出した。

 まさかそれが一緒に運ばれてここにあるのだなんてと思ったら、危うく卒倒するところだった──。