その時モモは一つ思いついて、二人にお願いをしてみようと彼女らを見上げた。

「あの……花純さん、桔梗さん。あたし、余り時間や手間が掛からなくて、それなりにボリュームのある料理を教えていただきたいのですが……」

 サーカスでの食事作り。

 もう定番は作りきっていて、何か変わったメニューを取り入れたいと思っていた。

「「わたくし共は構いませんが……」」

 二人の視線が高岡の背中に移る。

 ──そうだった。まずは水曜日までここにお世話になることを伝えなくては。

「話を始める良いきっかけになったね。君が三日後までここに留まるか否かの回答だが……実は或る程度の答えが出たよ」

「え?」

 『団長が誘拐を装わせた原因』、『それを団員に告げずして五日間を費やすように仕向けた理由』──既に高岡は気付いたというのか?

「あ、あの! いえ、お分かりになっていてもまだそれはおっしゃらないでください……あたし、こちらに約束の期日までお世話になりたいと思いまして……」

「え?」

 今度は高岡が驚く番だった。