「おっかしいな……誰かが邪魔してる」

「誰かがじゃなくて、普通そういうものなんだろ?」

 夜の貸切公演のため、再び夜中まで捜索出来なくなることもあって、凪徒はジリジリと苛立ち始めていた。

「違うんです。明らかに第三者が介入してる……これは手ごわいですよー凪徒さんっ」

 そう言いながらも秀成の画面を見つめる眼はギラギラと輝き出していた。

 どうも彼の闘争心に火が点いたらしい。

 凪徒はしばらく舌打ちでもしたくなりそうな口元を引き締めて、ぼんやり秀成の手元や画面を見つめていた。

 が、どうにも自分にはやれることがないな、と一声かけてステージに降り立ったところ、秀成を迎えに来た暮が向こうの方から手を振った。

「おーい、凪徒~成果はどうだ?」

 あの団長室で既に話を聞き、特に反論も同意もしなかった暮を、団長側についているのかそれとも自分側の人間なのか、凪徒は判断しかねていた。