──団長は、高岡さんに話していないんだ……。
話すべきだろうか? 心の中で少々の葛藤があったが、きっと近い内に分かってしまう。
モモは自分で結論を出して意を決め、再び右に立つ彼に顔を上げた。
「あの……すみません……あたし、父親も母親も知らないんです……」
「えっ?」
そんな驚愕の事実に、さすがの高岡も足を止めた。
「生まれてすぐに門の前に置かれていたと、園長先生から聞かされました。サーカスに入るまではその児童養護施設で育ったんです」
「そうだったのかい……いや、これは知らなかったとはいえ大変失礼してしまったね。本当に申し訳ない」
高岡は潔く謝り、身体を二つに折った。
長くその体勢から戻る気配がないのでモモも慌ててしまう。
自分には当たり前のことであって、特に隠してきたことはなかったのだ。
ただこのシチュエーションで告白するのには少し気が引けてしまっていた。
話すべきだろうか? 心の中で少々の葛藤があったが、きっと近い内に分かってしまう。
モモは自分で結論を出して意を決め、再び右に立つ彼に顔を上げた。
「あの……すみません……あたし、父親も母親も知らないんです……」
「えっ?」
そんな驚愕の事実に、さすがの高岡も足を止めた。
「生まれてすぐに門の前に置かれていたと、園長先生から聞かされました。サーカスに入るまではその児童養護施設で育ったんです」
「そうだったのかい……いや、これは知らなかったとはいえ大変失礼してしまったね。本当に申し訳ない」
高岡は潔く謝り、身体を二つに折った。
長くその体勢から戻る気配がないのでモモも慌ててしまう。
自分には当たり前のことであって、特に隠してきたことはなかったのだ。
ただこのシチュエーションで告白するのには少し気が引けてしまっていた。