既に昨夜からネット上で探りを入れているが、なかなか情報は集まらなかった。

 凪徒のスヤスヤと気持ちの良さそうな寝顔に、何度落書きでもしてやろうかと油性ペンを握ったかしれない。

 が、その仕返しは倍では済まされないことは分かっているので、眠い眼を(こす)りながらも徹夜で励み、朝方には何とかたった一つ、それらしき(つぶや)きを見つけていた。

「どうだ~秀成、何か見つかったか?」

 公演が終わったのだろう、気付けば子供達はもう消えていて、外も随分静かだった。

 集中していた背中に凪徒の声が掛けられ、それからよじ登ってきた彼にがっちり腕を回された。

「く、苦しい、凪徒さん……やっとモモを連れ去った車種と色には辿り着きましたよ~! だから……放してっ」

「本当かっ!?」

 大して分かりもしないのにパソコン画面に乗り出す凪徒。