★お読みくださいまして誠にありがとうございます。

 今作は2014~15年に掛けまして連載していた作品の再掲載です。

 時代設定もその頃ですので、まだまだガラケー全盛期、ようやくスマホが主流になろうかという時期でございます。

 懐かしく思い出しながら、楽しんでいただけましたら幸いです♪






 モモが高岡の昔話から解放され、やっと本日初めての食事にありついていた頃、秀成は──。

 ──やっぱりこのスペックじゃサクサクはいかないなぁ……。

 午前の公演中、せせこましい音響照明スペースにて。

 二人の子供に自分の仕事をやらせながら、ノートパソコンと睨めっこをしていた。

 団員の子供達を小間使いにしただなんてバレれば、その親達と団長から説教を受けることになるのは分かっているのだが、凪徒のお仕置きタイムに比べたら子守唄に聞こえるほど楽な時間だ。

 子供達も日頃から秀成の傍らで操作を見てきたため、ほぼ指示通りに作業をこなしてくれた。

 二日目のこの日は午前一回と午後に二回、夜には予約の貸切公演も入っている。

 そんな中で有って無いようなモモの手掛りを見つけ出し、彼女の居所を突き止めろというのだからたまったものではない。