半分呆然と口を開いたまま凪徒は(いざな)われるままに中庭に出て、先を歩く桔梗の後をついて行った。

 やがて花純と共に待つ暮の姿が見えたが、どうしてなのか他の団員達はすっかりいなくなっていた。

「暮? みんなは?」

「先に行ってもらった」

 そう一言だけ返した暮の目線は凪徒の持つエアソフトガンに()められた。

「こっ、これっ!」

「あん? 知ってるのか、暮?」

 暮は驚きの(まなこ)で凪徒に駆け寄り、その銃をまじまじと見回した。

「何でこんな所に? 多分それ、おれが捕まえた犯人がお前を狙った凶器だぞ」

「ああっ!?」

 暮の驚きが移ったように凪徒も驚愕の大口を開ける。

 思わず投げ出したそれを慌ててキャッチした暮も、目を丸くして苦笑いをした。

「少なくともモモがここにいたってことは間違いないな。行くぞ、凪徒。モモの“移送先”、サウスオーシャンパークへ!」

 暮の気持ちを切り替えるような大声に、凪徒もゆっくりと頷き南の空を仰ぎ見た──。