こんなこと──いや二年前にも受けた筈だ。園長先生と施設のみんなから。

 でもそれはずっと一緒にいたからこその愛情(あふ)れる別れの挨拶なのだと思っていた。

 たった四日間でも……きっと同じ愛情を注がれたのだ──『明日葉』として。『桃瀬』として。

 そう感じられて、本当に姉が出来たのだと心から思えた。

 ()(がしら)が熱くなって、危うくその場から動けなくなりそうになる。

 それでも二人の潤んだ笑顔に後押しされて、涙に濡れた絶品の笑みを贈り、運転手が回してきた車の後部座席に身を移した。

 モモはシートの背もたれから顔を覗かせて、二人の見送る姿が見えなくなってもいつまでもその手を振り続けた──。



★以降は前回連載時の前書きです。

 お付き合い誠に感謝しております♡

 すっかり遅くなってしまいましたが、花純と桔梗の違いにつきまして(笑)。

 自分達の事を花純は「わたくし達」と言い、桔梗は「わたくし共」と言います*

 二人の台詞が重なる場合は、その台詞の主導権を握っている方の口調となっております(苦笑)。