モモは偽りのない心からの言葉をぶつけられて、それを機に少しずつ何かが変わっていった。

 花純と桔梗が邸宅では当たり前だったメイド口調をかなり和らげてくれたこともあって、ショッピングモールへのドライブの最中も、沢山の洋服が溢れた小さな店を転々と覗いて歩く間も、吹っ切れたように自然とお喋りが弾んだ。

 きっと(はた)から見た四人は、どこにでもいそうな父親と三姉妹に映ったことだろう。

 途中フードコートでそれぞれ食べたい食事を注文し、ざわめく店内で声を張り上げながら昼食を楽しんだ。

 最終日となる明日は高岡のリクエストで遊園地へ行くことになり、そのための洋服を双子の『姉達』が選んでくれた。

 少し甘めのチュニックとクロップド・パンツ。

 活動的でありながら思春期の少女らしい可憐な装い。

 ジャージでは(はばか)られる場所へ行くにもジーンズ程度しか持っていなかったモモには、それは眩しいと思えるくらい輝いて見えた。