“校舎を案内する”と言った手前、案内しないのも変だよな、と思い、とりあえず教室を案内しようと一緒に階段をのぼる。
展示会が開かれている教室がある南校舎とは真反対の位置にあることに加え、グラウンドからも離れているからか、普段使っている教室がある北校舎はひっそりと静まり返っていた。
「校舎、綺麗だね?」
トントン、と響き渡る足音と共に沙帆ちゃんの声が響く。
それがなんだか、とても不思議な感じがした。
「俺らが入学する直前に、塗り直しされたんだって」
「なるほど。だから綺麗なんだ」
「あれ、沙帆ちゃんってどこの高校通ってたんだっけ」
「私? 私は普通の私立高校」
教えてくれた高校は、
「え、あれじゃん、スポーツがめちゃくちゃ強いところ」
確かこの前の夏、野球部が甲子園に出ていた気がする。
「そうそう、まあ私は進学コースだったから、スポーツとは無縁だったけど。でも、応援はよくしていたよ」
「へえ。現地まで行って応援するの?」
「近くで開かれるときは現地まで応援に行っていたよ。遠いところで開かれるときは体育館で応援していた。体育館に大きいスクリーンがあってね、そこにテレビがうつるようになっているの」
「すげえな……」
「まあ、私立だったから。そういうところにはお金かけていたよ」
いいな、沙帆ちゃんと同じ時に高校生で、沙帆ちゃんに応援してもらえていた人は。
見も知らない人に少しだけ嫉妬してしまう。
「ここが教室?」
「あ、うん、ここ」
今日は誰もいないだろうと思っていたのに、教室の中からは声が聞こえる。
まあ別にいいか、と思ってドアを開けた瞬間、大きく後悔した。
だって、そこには、普段はいるはずもない―というかむしろ避けてさえいる―実優が、いたから。
実優の傍には茉奈と数人の女子がいて、俺に気づいた瞬間、全員が気まずそうな表情を浮かべた。
展示会が開かれている教室がある南校舎とは真反対の位置にあることに加え、グラウンドからも離れているからか、普段使っている教室がある北校舎はひっそりと静まり返っていた。
「校舎、綺麗だね?」
トントン、と響き渡る足音と共に沙帆ちゃんの声が響く。
それがなんだか、とても不思議な感じがした。
「俺らが入学する直前に、塗り直しされたんだって」
「なるほど。だから綺麗なんだ」
「あれ、沙帆ちゃんってどこの高校通ってたんだっけ」
「私? 私は普通の私立高校」
教えてくれた高校は、
「え、あれじゃん、スポーツがめちゃくちゃ強いところ」
確かこの前の夏、野球部が甲子園に出ていた気がする。
「そうそう、まあ私は進学コースだったから、スポーツとは無縁だったけど。でも、応援はよくしていたよ」
「へえ。現地まで行って応援するの?」
「近くで開かれるときは現地まで応援に行っていたよ。遠いところで開かれるときは体育館で応援していた。体育館に大きいスクリーンがあってね、そこにテレビがうつるようになっているの」
「すげえな……」
「まあ、私立だったから。そういうところにはお金かけていたよ」
いいな、沙帆ちゃんと同じ時に高校生で、沙帆ちゃんに応援してもらえていた人は。
見も知らない人に少しだけ嫉妬してしまう。
「ここが教室?」
「あ、うん、ここ」
今日は誰もいないだろうと思っていたのに、教室の中からは声が聞こえる。
まあ別にいいか、と思ってドアを開けた瞬間、大きく後悔した。
だって、そこには、普段はいるはずもない―というかむしろ避けてさえいる―実優が、いたから。
実優の傍には茉奈と数人の女子がいて、俺に気づいた瞬間、全員が気まずそうな表情を浮かべた。



