夢を叶えた日、一番にきみを想う

「尚樹!」
「沙帆ちゃん……」

俺の為に、ここまで追いかけてきてくれたんだろうか。
自分勝手だ。今日はこれ以上一緒にいたくなくて自分から去ったのに、自分の為に追いかけてきてくれたことに、嬉しいと思ってしまった。
思わず沙帆ちゃんを見つめると、沙帆ちゃんは柔らかに、ふわりと笑った。

「塾長から聞いたよ、今回返却された模試試験、成績凄くよかったんだって。よく頑張ったね」
「……うん」

そうだった。もとは、この成績表を見せたかったのだ。
いつもとは違う彼女に、どうして会いに来たのかも忘れてしまっていた。

「行こうか」

どうせ帰るんでしょ?と彼女は微笑む

「どこに?」
「んー、どこにしようかな。先週話せなかったし、ちょっと散歩でもしながらお話しようか?」

沙帆ちゃんは、自転車を押す俺の隣に並んだ。