夢を叶えた日、一番にきみを想う

「実優、俺……」
ごめん、と伝えようとした。けれど、もう彼女は“ごめん”と言われることを望んでいないことに気づく。
だから、正直な気持ちを伝えた。
――きれいごとだ、とか、言える立場じゃない、とか、色々頭には浮かんだけれど。

「俺、実優のこと幸せに出来なかったけど……初めて付き合ったのは実優だったから。だから、実優には幸せになってほしい」
「……バカ、今そんなこと言わないでよ」
「うん……でも、本当だから」
「わかってるよ、そんなこと」

彼女は涙を拭うと、「もう帰って」と俺の肩を押した。

「もう、しばらく尚樹の顔は見たくない。だから、もう帰って」
「……わかった」

もう一度「ごめんな」と告げてから、来た道を戻る。

かすかに彼女の泣き声が聞こえたけれど、もう振り返らなかった。