「もしもし? 尚樹?」
「おう、今家か?」
「うん、そうだよ」
「わりー、ちょっと降りて来れる?」
「え、なんで?」
「今、お前の家の前まで来てる」
言い終えるとすぐに、2階の窓のカーテンが開いた。
「うわ、本当にいる!!」
「だから『来た』って言ったじゃん」
「珍しいね!! ちょっと待ってね!!」
少し距離があるにもかかわらず、はっきりとわかる嬉しそうな彼女の表情に、申し訳ない気持ちになる。
でも、もう言わないといけない。前ははっきりと言えなかったけれど、断れなかったけれど、それでも俺には実優以外に好きな人がいる。“それでも良い”と言われても、やっぱりはっきりと別れるべきだった。
「どうしたの、こんな時間に。どこか遊びに行っていたの?」
慌てて出てきてくれた彼女が来ていたシャツは、いつか2人で遊びに行った時に買ったもので、少し胸がしめつけられる。
「……実優、ごめん」
「……なにが」
絞り出したような声で伝えると、実優も同じような声で返してきた。
――それはきっと、俺が何を言おうとしているのか、もう気付いたから。
「俺、やっぱりもう実優とは付き合えない」
「……それを伝えに来たの?」
「うん」
実優はギュッと唇を噛み締めている。
その仕草は、いつも強気な彼女が何かに耐える時に無意識にするものだと気付いていたから、何とも言えない気持ちになる。
「おう、今家か?」
「うん、そうだよ」
「わりー、ちょっと降りて来れる?」
「え、なんで?」
「今、お前の家の前まで来てる」
言い終えるとすぐに、2階の窓のカーテンが開いた。
「うわ、本当にいる!!」
「だから『来た』って言ったじゃん」
「珍しいね!! ちょっと待ってね!!」
少し距離があるにもかかわらず、はっきりとわかる嬉しそうな彼女の表情に、申し訳ない気持ちになる。
でも、もう言わないといけない。前ははっきりと言えなかったけれど、断れなかったけれど、それでも俺には実優以外に好きな人がいる。“それでも良い”と言われても、やっぱりはっきりと別れるべきだった。
「どうしたの、こんな時間に。どこか遊びに行っていたの?」
慌てて出てきてくれた彼女が来ていたシャツは、いつか2人で遊びに行った時に買ったもので、少し胸がしめつけられる。
「……実優、ごめん」
「……なにが」
絞り出したような声で伝えると、実優も同じような声で返してきた。
――それはきっと、俺が何を言おうとしているのか、もう気付いたから。
「俺、やっぱりもう実優とは付き合えない」
「……それを伝えに来たの?」
「うん」
実優はギュッと唇を噛み締めている。
その仕草は、いつも強気な彼女が何かに耐える時に無意識にするものだと気付いていたから、何とも言えない気持ちになる。



