夢を叶えた日、一番にきみを想う

沙帆ちゃんは敢えて休んだのかもしれない。
そう思ったのは、夜、お風呂上りの俺に祐樹が放った一言だった。

「沙帆ちゃん、今日珍しく休みだったらしいじゃん。遂に愛想つかされたの?」
「ちげーよ」とは答えたものの、確かに沙帆ちゃんが授業を休むのは滅多にないことだった。
現に、今まで一度も休んだことが無かったし。

この前俺が無視したから? 酷い態度をとったから怒った?
……もう、こっちの校舎に来ない、なんてことはないよな。

塾長だって、「今日は休み」と言っていて、「もう来ない」「担当が変わる」とは言っていなかったし。
きっと、今日はたまたま本当に用事があって、塾に来れなかった。それ以上でもそれ以下でもないはずだ。

でも、もしこのまま担当が変わってしまったら? この前のことを謝ることすら出来ずに、もう沙帆ちゃんに授業をしてもらえないとなったら?

謝りたい。早く謝りたい。次に沙帆ちゃんに会うのは5日後。
長い。長すぎる。次の授業は来てくれるだろうか。どうか来てくれますように。

無責任に放たれた祐樹の言葉のせいで、その日の夜は寝付きが悪かった。