夢を叶えた日、一番にきみを想う

「あ! 小竹と沙帆ちゃんじゃん!!」

改札へ向かっていると、前を歩いていた祐樹が声をあげた。

「おー、こんなところで会うなんてな」
「偶然だね〜、あ、尚樹もいる」

沙帆ちゃんが俺にむかって手を振る。
他にも祐樹や佑真がいるのに、沙帆ちゃんは真っ直ぐ見つめながら手を振ってくれた。
彼女の行動が俺に少しの優越感を与える。

「先生たちはデートですか?」

佑真が小竹に問いかけると、「バカ、そんなんじゃねーよ」と小竹は佑真の額を小突く。

いやいや、否定はしているけど、あの顔、絶対沙帆ちゃんのこと好きだろ。

「あの2人、付き合ってるらしーぜ」

これから一緒に塾へ向かうのだと俺たちに背を向けた2人を見つめながら佑真が言う。

「やっぱり? いつも一緒にいるもんな」
「うん、古田が言ってた」

佑真の答えに、胸がギュッと強く掴まれた感じがした。

「けど、確かにいつも一緒にいるよな」
「尚樹」

少し離れた場所で一人立ち止まっていた実優が、泣きそうな顔をしながら尋ねた。

「……もしかして、あの人のこと」

続きは言わなかった。
それでも、聞きたいことはわかった。

「うん、だから、」
「……あの人、何歳なの?」

実優は、またもや俺の言葉を遮った。
彼女の質問に少し苛立ちながらも「21」と答える。
いや、昨日誕生日を迎えたから「22」になったのか。まあ、いいか。わざわざ訂正するほどでもない。