夢を叶えた日、一番にきみを想う

少し先に見える駅の光を目指しながら、普段より静かな道を並んで歩く。

「母さんが急に、ごめん」

しかも長話で、と付け加えると、沙帆ちゃんは「ううん」と微笑む。

「それより、あの駅まで大丈夫だから」

駅の方向を指差しながら、沙帆ちゃんは申し訳なさそうに言う。

「もう遅いし、尚樹も帰って?」
「でも、ほら、俺もあんまり早く帰っても、母さんに怒られるから。沙帆ちゃんを送っていかなかったのか、って」
「そっか……」

でもなあ、という沙帆ちゃんに、「母さんの命令だから」と念押しするように言うと、「そうだね」と困ったように笑った。

「じゃあ、今日だけはお言葉に甘えて送っていってもらおうかな。よろしくね、尚樹」
「おう」

なんだか照れくさくて、彼女から視線を逸らす。

逸らした先には、冬の大三角がとても綺麗に輝いていた。