ふわりと、花が咲くように笑う彼女。
この笑顔を見るたびに、私は蛍を尊敬する。
この美しい笑顔は、汚れた私を嘲笑っているみたいに見えて、
その笑顔を愛せる蛍は…もっと美しい、綺麗な笑顔を浮かばせるんだけど。
そう、蛍は…華が咲くように笑うのよ。
あんたは知らないだろうけどね。
生まれたときから愛を独り占めしていたお姫さま。
守られていることにいつ、きづくのかなぁ……
「乃之ー?なんかあったー?」
「ううん!ダイジョーブっ!」
ハッ、
「本当にごめんなさいっ!」
またペコリと頭を下げて、桜花と共に消えていった。



