華のように笑う美しい蛍は、花を愛してる














「…あれ?」



「んー?乃之、なに」

「いやー?なんか視線を感じたような」

後ろを振り向き、ポツリとつぶやく


窓から入る風に髪が揺れ、本当に今すぐ散ってしまいそうな儚さがある彼女は、無意識に人を惹きつける。


その儚さからも、桜の姫と呼ばれるようになった彼女は、今は桜花の姫・桜姫《オウキ》だ。



「えー?乃之の気のせいでしょ!」
「あはっ、だよねー」