「記憶喪失だったらしいが、優秀だったもんで警視庁の四課に異動して、現場に復帰した後はマル暴として俺たちを監視してる」



だけど本物の赤星を知っている地元の人間に怪しまれたらいけないから、東京に異動して荒瀬を監視することにしたのか。



「不気味な男だろ」

「でも、目は死んでなかった」



赤星は覇王に翻弄された悲劇の人物。


だけど、この前会った時は彼に悲壮感はなく、むしろ生き生きして見えた。


だぶんあの男は、覇王に命令されて仕方なく動いてるんじゃなくて、自分の意志でスパイとして暗躍している。


それだけ、望月が魅力的な男なのかな。


うーん、西雲会のことはさっぱり分からない。



「……お前、まさかああいうのがタイプか?」

「は?んなわけないでしょうが!」



真面目に考えてたのに、志勇がすっとぼけたことを言うから思考が吹っ飛んだ。


とにかく、ここまで原作と流れが変わったってことは、最悪の未来を変えられたのかもしれない。


私は胸をなでおろし、安心して壱華との時間を楽しむことにした。