「ねえ、冬磨」

「……なんだ」



睨みつけていた組長は、紘香さんに声をかけられるとぱっと眉間のしわを解いた。



「実莉ちゃんとお話したいんだけど」

「俺がいたって困る話じゃないだろう」

「あら、そんなに私と一緒にいたいのね」

「悪いのか?」



紘香さんは冷や汗だらだらの私に配慮して、遠回しに出ていって欲しいとお願いしたけど、組長はそれを断った。


距離感と、男の方がベタ惚れな感じ……なんかものすごい既視感。


志勇と壱華を見てるみたい。


美男美女のあの二人と違って、こっちは美女と野獣って感じ。