「幸くん。ちょっと来て~」
「ん~?」
最近、早瀬が他の女子と楽しそうに話しているのを見るだけで羨ましくて心の中がモヤモヤする。
「そんなに気になるなら、くるみも話せばいいのに」
くるみが早瀬のことを好きだと知っている友達によくそう言われるが、相手にされなかったらと思うと怖くてなかなか声をかけられない。
「しっかりしないと!校外学習の日に早瀬と写真撮りたいんでしょ」
「うん」
一週間後の校外学習まで時間がない。くるみは自分を勇気づけるように力強くうなずいた。