「うん、約束する！」

ため息混じりに椿芽が言うと五十鈴は嬉しそうな顔を見せ、椿芽から離れてまだ残っていた朝ご飯の残りを食べ始める。

「椿芽とお出かけ、嬉しい！」

無邪気な子どものような笑顔を向けられると、椿芽の胸が温かくなっていく。心の奥底にある恋がまた大きくなり、「好き」と無意識に思ってしまうのだ。

朝ご飯を食べ終えた後は、二人で協力して皿洗いや掃除を済ませて身支度を整える。口では反対していたものの、椿芽も五十鈴とのデートにどこか浮かれていて、どんな服を着ようかとクローゼットの前で悩んでしまう。

「せっかくのデートだし、思いっきり可愛くしてもいいよね」

買ったばかりの花柄のワンピースを着て、髪を櫛でとかしてメイクもする。お気に入りのかばんを手にリビングに行けば、もう準備を終えた五十鈴が「そのワンピース、可愛いね！」と微笑んでくれる。

「ありがとう」

「すごく素敵だよ！さあ、行こう！」