学年一のモテ男子は天然優等生ちゃんを落としたい

如月くんは暫く黙り込んだあと、少し余裕がなさそうに話しかけてきた。

「……あの、なるちゃん?それ、無自覚でやってる……?」

「……無自覚?何が……?」

「まじかよ……なるちゃん意外と天然……?」

て、天然っ……中学の頃から言われ続けてきては否定して、それを否定されての繰り返しだったけど……私のどこが天然なんだろう……。

「……ま、まぁいいや。仲良くなったら絶対名前で呼んでね?気を取り直して、次が最後」

どうやら私に対してのお願いは全部で3つのようで、如月くんは最後のお願いを私に伝えた。

「他のやつに、なるちゃん呼び許可しないで。男でも女でも、仲良い友達でも。なるちゃん呼びは、俺だけの特権にしたい」

如月くんは今まで見たことないくらい真剣な表情してたけど……名前呼びとかタメ口で話すのをお願いする方が緊張しないのかな……?

まぁ私とは住む世界が違う人だし、価値観も違うもんね。

「如月くんがそうしたいなら、なるちゃん呼びは如月くんだけの特権でいいよ」

多分他の人からは呼ばれないだろうし、意図せずとも如月くんの特権になるだろう。

……一方の如月くんはと言うと、また少し赤面していて、頑なに私と目を合わせてくれなかった。